マーケティング&リサーチ用語集

【す】  
  スクリーニング
  調査対象者を募集(リクルート)するために条件を決定する。この条件によって調査対象者を選定する事をスクリーニングという。 調査方法としては、定性的調査手法の場合に利用される事が多いが、定量的調査方法でも標本数を限った調査、例えば恣意的抽出法による標本調査や、市場区分(市場標的)別調査の場合にも行われる場合もある。 通常、条件設定を行い、調査表形式にしたスクリーニング票を作り、これに記入してプリテストを行う。
   
【せ】  
  正準相関分析
  多変量解析手法のひとつ。多くの変数群を組み合わせ、その変数群をもとに合成変数と正準変数をつくり、これとの間で重回帰分析を行うものである。合成変数群と正準変数群との間の相関が最も高くなることが正準相関が高いという。 マーケティングリサーチではあまり応用されていないが、商品の特性と消費者のイメージや心理の関係を、正準相関などで試みる事は出来るだろう。
   
  生態学
  19世紀にドイツのヘッケルによってはじめて生物学から発展させ生態学が提唱され、1935年にイギリスのタンズレイが体系化させた。最近マーケティングでも、生態学視点が重視されてきている。これは、1990年代からの自然環境の破壊や地球規模の環境汚染が進んだこと、自然と人間との共存関係が重視され、さらに身近な自然環境保護を市民レベルで取り組み始めた事などによる。マーケティングの分野においても、グリーンマーケティングなど従来のソーシャルマーケティングからより拡大し、自然環境への影響と自然から受ける効果を積極的にみとめようという動きも活発になって来ている。また、生態学を分析手法にとり込む動きもマーケティングリサーチの一部にあらわれて来ている
   
  製品化計画
  標的市場(マーケティングターゲット)の需要と企業販売(生産)目的の達成のために行う、最適な商品供給のための計画的活動をいう。製品化計画の課題は、絶えず変化する市場に企業の供給製品を最適に調整することである。具体的には、新商品の開発、既存商品の改良と改善、新用途の提案、ブランド、色、デザイン、パッケージなど様々な要素を検討し、さらに生産量や流通のコントロールまで必要となってくる。 マーケティング活動の重要要素であると同時に成功要因でもある製品化計画は、企業のマーケティング活動の中枢のひとつである。
   
  製品調査(検査)
  製品検査とは各商品がもつ様な特性、例えば機能・性能、デザイン等を調査・分析する事である。製品調査は2つに大別できる。まず、自社で行う製品調査である。とくに新製品では、特性調査としては技術安全面と、使用者に関するものがある。前者は消費者試験(消費者使用テスト)といわれている。これは主に企業の製品(商品)試験部門で行われる事が多い。 次に競合製品の特性調査だ。競合製品の技術面・安全面と使用上の特性を調査する事で、業界における自社製品の位置付けが明確となり、その結果自社商品の投入計画、価格の改定、セールス・ポイントなどが明白となる。また、最近の特に消費者運動が高まり、PL法などの成立もあって、消費者の「かしこい」購入を手助けするために、「比較情報」が求められている。このため、自社製品ならびに競合他社製品の持つメリット、デメリットを把握する事は重要なマーケティング上のテーマである。
   
  製品ポジション分析
  自社及び他社の各製品、各ブランドについての製品の属性別の評価についての様々な解析手法を用いて分析する事を言う。定性的調査や多変量解析手法などで得られる商品、ブランド別の情報を用いて、主として平面に図表で各製品、ブランドの図を作成し、分析する方法。マトリックスやポートフォリオなどに図表化する商品コンセプト構築、評価の方法として利用する事が多い。
   
折半平均法
  両方平均法とも言う。時系列予測手法の一つ。これは時系列データを調査期間の中央で2分し、前半と後半のそれぞれについて平均値を出し、その値をグラフ上にプロットする。(この時のプロット点は前半の平均値を1/4のところ、後半の平均値を3/4のところ)。この両点を結ぶ直線を引き、これを傾向線とする。 この方法の特色は、計算が簡単で、とりあえず単純で同一の結果を求められる点である。一方、あまりにも単純で、また傾向線が直線で示されるために、重要な傾向変化がつかめないという欠点もある。
   
  セマンティック・ディファレンシャル法
  SD法と呼ばれる事が多い。強い−弱い、高い−低い、重い−軽いなどの対立するイメージや傾向を用いて、商品、ブランド企業イメージなどの与える心理的なイメージを、通常5段階程度で評価、測定する方法。SD法では、イメージ評価、潜在性、活動性、能動性などの群に分類されており、それらの郡を一つの軸として、多次元的にイメージを把握する事が出来る。また、多変量解析、例えば因子分析や主成分分析に用いられることも多い。 この方法の特徴は、イメージによる心理的な多次元性を持つ事、さらに量的把握が可能な事にある。さらに実施が簡単であるので、各種のイメージやデザイン評価嗜好度を調査するのによく用いられる。企業イメージ測定法ともにイメージ調査に欠かせない調査方法の一つ。
   
  潜在需要分析
  顕在需要の反対語。顕在需要が文字通り目に見える需要(例えば売上高や販売量など)となって示す事が出来るのに対し、潜在需要は、何らかの理由によってまだ現実の需要とならず、いわば隠れた需要である。潜在需要分析では、潜在需要者の量の推定、顕在化しない理由、その商品に対する欲求水準、購買力水準などを明らかにする。潜在需要分析の結果は、特に新商品のマーケティングにとって重要な情報である。また新商品ばかりでなく、既存商品の改良、広告や販売促進策による販売方法の改善、サービス政策の改善など多くの情報が提供される。
   
  セントラルロケーションテスト
  CLTともいう。街頭で通行人を調査対象者として、特設の会場に誘導して調査を行う。通常は質問紙による調査が多いが、集団面接法(グループインタビュー)を行う場合もある。また20〜50名を参集し、司会者のもとで一斉に回答するという場合を別に集合調査という場合もある。
   
【そ】  
想起テスト
  定性的調査法の一つで、語句連想法や絵画解釈法などともに投影法の一つ。ブランド名や広告コピーなどを調査対象者に想起させテストする方法。想起方法には、調査対象者の記憶の再生のためにどのような条件も与えない方法を特に純粋想起法という。また、ある条件を設定して記憶を探る方法を助成想起法という。これを別に認知テストと呼ぶ場合もある。 広告のコピーテストや注目率調査,消費者調査で知名度、リテラシー、購読などをテストする方法として使われている。広告を見た翌日、電話や訪問面接法などにより広告をテストする調査もある。また、マインド・シェアをみるため想起テストによるブランド調査も行われる。
   
  層別抽出法
  標本調査で行われる標本抽出方法の一つ。母集団を特定の条件でいくつかの層に分け、分類された各層から標本を抽出する方法である。具体的には、母集団を10代、20代、30代、40代という年代によって層別し、さらに男女という性別に分類し、各層から標本を抽出する。層別抽出法では、各層内は属性としては同質であるが、各層間の属性は異なる。この抽出法の特徴は一言で言えば層内同質、層間異質の対象となる。
   
層別多段抽出法
  標本調査で行われる標本抽出法の一つ。層別多段抽出法は、母集団をあらかじめ複数の層に分け、各層からいくつかの抽出グループを選び、その抽出グループから標本を抽出する方法で、層化副次抽出法ともいう。 具体的には首都圏でパソコンの販売量を調査する場合、パソコン専門店と家電量販店とに層化する。次に、それぞれの層を特定のエリアに分けて、いくつかのエリアを無作為に抽出し、抽出された区から調査の対象となる対象店同数を抽出するというもの。
   
  ソーシャル・マーケティング
  社会的マーケティングなどという場合もある。マーケティングを単に企業(この場合は営利企業)の生産や販売、サービスに限定せずに、社会的な様々な要因にまで広げて考えようとする概念。P.コトラーが提唱し、マーケティングの新しいコンセプトとして認知されている。これは例えば、営利組織(企業)で実践されているマーケティング・コンセプト、マーケティング技法を非営利組織(例えば、政府・地方自治体、学校、病院、寺院・教会、博物館・美術館、社会組織など)の効率的な運営のために取り入れようとすることにも結びついてくる。ソーシャル・マーケティングでは、人々の欲求を大きくとらえ、単に商品、サービスだけでなく、個人、法人、団体、自然環境、組織、施設、場所、アイデア、主張、考え方など、種々な形態をとり、欲求の対象になりうるものすべてととらえる。最近のマーケティング研究はマーケティングの基礎概念や範囲が拡大される傾向にある。